ソフトバンクは2019年9月13日より2年契約の縛りを撤廃し、解約時の負担金を0円とする新しい料金プランをスタートしました。
また、楽天モバイルも2020年4月8日からRakuten UN-LIMITという2年契約の概念が無いプランをひっさげて大手キャリアに参入したのも記憶に新しいところです。
ちなみに、ドコモとauも2019年9月に新しい料金体系を提供開始しましたが、どちらも2年契約の仕組みは残しつつ、解約負担金を1,000円と定めるにとどまっています。
つまり、大手キャリアのうち2年縛りや解約金という概念を完全に取り払った新料金プランを提供しているのはソフトバンクと楽天モバイルのみです。
ソフトバンクで現在提供中のメリハリプラン、ミニフィットプランは受付開始が2020年3月12日でしたので、どちらも2年契約や解約負担金の概念そのものがありません。
一方、ウルトラギガモンスター+やミニモンスター、スマホデビュープランなどについては、プランを申し込んだ日によって以前の2年契約の概念が残っているものもあります。
2年契約なし・解約金なしの新料金プランはなかなか見分けがつきにくく、様々な疑問点が浮かんでくるところですが、本記事でこの仕組みをしっかり紐解いていきます。
目次
そもそも2年契約とは何か
2年契約の縛りがなくなるプランに触れる前に、従来の2年契約の仕組みについておさらいします。
2年契約・2年縛りは、料金プランを2年間の定期契約を条件として、毎月の料金プランを割安で利用できる仕組みです。
2年契約を申し込んだ月を1か月目とし、24か月目から26か月目の契約更新期間中であれば解約金が不要となり、期間中に解約申し出がなければそれ以降、2年契約が自動更新される(もしくはプランによってはそれ以降解約金不要となる)という仕組みです。
ちなみに契約更新期間以外での解約時は、契約解除料として9,500円の負担金が必要となります。
本来、2年契約を条件に基本料金が割安になる仕組みですが、そもそも2年契約の有無で料金差に大きな開きがあったり、自動更新されるという特徴から「2年縛り」とも言われてきました。
2年契約なし・解約金なしの新しい料金プランは、このような2年定期契約の仕組みや契約解除料を一切必要としない、シンプルでリスクの少ない料金体系なのです。
2年契約縛りなしの対象プランについて
2年契約の縛りや、解約金を必要としないソフトバンクの新料金プランは「基本プラン」と「データ定額サービス」の2つに分類されます。
まず、基本プランは、スマホ・ケータイ・タブレットなどを利用する為に必ず契約しなければならない料金プランのことです。
一方、データ定額サービスは、スマホ・ケータイ・タブレットなどにおいて、メールやインターネットなどのモバイルデータ通信を定められた金額で利用することができる定額サービスです。
対象となる端末種別はあるものの、「基本プラン」と「データ定額サービス」の組み合わせは自由です。2つの対象プランを表にまとめて確認します。
基本プラン
プラン名称 | 月額料金 | 対象機種 |
基本プラン(音声) | 980円 | スマホ、ケータイ |
基本プラン(データ) | 980円 | タブレット、モバイルWi-Fiルーター |
基本プラン(みまもりケータイ/キッズフォン) | 490円 | みまもりケータイ、キッズフォン、あんしんファミリーケータイ |
上記の基本プラン(音声)は、通話ができる基本契約ですが、通話料金は30秒ごとに20円発生します。
家族割引グループ内であれば国内通話料24時間無料ですが、その他に電話をかける場合は、国内通話が24時間無料になる「定額オプション+(月額1,800円)」、1回5分以内の国内通話が無料になる「準定額オプション+(月額800円)」をオプションで追加契約することも可能です。
また、基本プラン(みまもりケータイ/キッズフォン)は、月額490円で1回5分以内の国内通話が無料になるサービスが基本料金に含まれています。
データ定額サービス
プラン名称 | データ量 | 月額料金 | 対象機種 |
データプランメリハリ | 50GB | 6,500円 | 全機種 |
データプランミニフィット | 0〜5GB(3段階) | 3,000〜6,500円 | 全機種 |
データプラン50GB+ | 50GB | 6,500円 | 全機種 |
データプランミニ | 0~50GB(4段階) | 3,000~7,500円 | 全機種 |
データプラン1GB(スマホ) | 1GB | 1,500円 | スマホ |
データプラン 1GB(ケータイ) |
1GB | 1,500円 | ケータイ |
データプラン100MB | 100MB | 300円 | ケータイ |
データシェアプラス | 親回線のデータ量と共有 | 0円 | タブレット、 モバイルWi-Fiルーター |
スマホやケータイでは、通信単価の高さゆえに、ほんのわずかな通信利用でも高額請求となる危険性がありますので、データ定額サービスには加入することをおススメします。
上記のデータ定額サービスは、ユーザーの利用状況に合わせて自由に選択可能です。
しかし、中には新規受付終了しているものもありますのでご注意ください。
ここまで確認してきた「基本プラン」と「データ定額サービス」の組み合わせにより、「メリハリプラン」「ミニフィットプラン」「スマホデビュープラン」または「ミニモンスター」や「ウルトラギガモンスター+」といったプランが完成するわけです。
2年契約なしの料金プラン内訳
プラン総称 | 基本プラン | データ定額サービス |
メリハリプラン | 基本プラン(音声) | データプランメリハリ |
ミニフィットプラン | 基本プラン(音声) | データプランミニフィット |
ウルトラギガモンスター+ | 基本プラン(音声) | データプラン50+ |
ミニモンスター | 基本プラン(音声) | データプランミニ |
スマホデビュープラン | 基本プラン(音声) | データプラン1GB(スマホ) |
上記の表において、メリハリプラン・ミニフィットプランは2年契約の概念が存在しないプランなので、更新月や解約金について気に留める必要はありません。
しかし、ウルトラギガモンスター+・ミニモンスター・スマホデビュープランについては、後発的に2年契約の概念が存在しない仕組みが登場したため、適用日やプランの内訳によっては旧2年契約のままとなっている方がいらっしゃるかもしれません。
同じ名前の料金プランでも2年契約が存在する旧プラン、2年契約の概念そのものがない新プランという2パターンに分かれてしまい、これこそが混乱しやすく特に注意したい部分です。
旧プランと新プランの見分け方については、次の章で詳しく解説します。
2年契約縛り・解約金なしのプランを見分けるカンタンな方法
現在、契約している料金プランが2年契約の縛りや解約金が発生するのかどうかを見分けるポイントはプランを申し込んだ日と料金プランの内訳を確認すれば一目瞭然です。
まず、2年契約と解約金の概念が存在しない新プランは2019年9月13日(金)以降の申し込みが対象です。
つまり、直近のプラン変更が2019年9月12日(木)以前の場合、2年契約の縛り・解約金が発生する旧プランで契約中の可能性が高いです。
現在ソフトバンクで提供中の「メリハリプラン」と「ミニフィットプラン」は2020年3月12日から提供開始されましたので、提供開始時点ですでに2年契約の概念が存在しない新プランです。
ただ、「ミニモンスター」や「ウルトラギガモンスター+」「スマホデビュープラン」に関してはプランを申し込んだ日や料金プランの内訳によって2年契約の有無が異なります。
ここからは2年契約有無の見分け方について、「ミニモンスター」「ウルトラギガモンスター+」「スマホデビュープラン」を例に確認していきます。
ミニモンスター | |
2年縛り・解約金ありの場合 | 2年契約・解約金なしの場合 |
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旧ミニモンスターは、通話基本プラン(2年契約)、データ定額ミニモンスター、ウェブ使用料が一体となった内訳で、この場合だと2年縛りや解約金があります。
一方、新ミニモンスターは、基本プラン(音声)、データプランミニが一体となった内訳で、この場合であれば2年契約はそもそもなく2年縛りや解約金は発生しません。
ウルトラギガモンスター+ | |
2年縛り・解約金ありの場合 | 2年契約・解約金なしの場合 |
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旧ウルトラギガモンスター+は、通話基本プラン(2年契約)、データ定額50GBプラス、ウェブ使用料が一体となった内訳で、この場合だと2年縛りや解約金があります。
一方、新ウルトラギガモンスター+は、基本プラン(音声)、データプラン50GB+が一体となった内訳で、この場合であれば2年契約はそもそもなく2年縛りや解約金は発生しません。
スマホデビュープラン | |
2年縛り・解約金ありの場合 | 2年契約・解約金なしの場合 |
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旧スマホデビュープランは、通話基本プラン(2年契約)、データ定額スマホデビュー(1GB)、ウェブ使用料が一体となった内訳で、この場合だと2年縛りや解約金があります。
一方、新スマホデビュープランは、基本プラン(音声)、データプラン1GB(スマホ)が一体となった内訳で、この場合であれば2年契約はそもそもなく2年縛りや解約金は発生しません。
新旧どちらのプランも各割引適用後の料金総額は変わりませんが、プラン名称や内訳の仕組みが異なるため、見分けるためには、料金内訳の中身をチェックするとかんたんに確認できます。
現在の料金プランの内訳がどうなっているか確認したい場合は、My SoftBankにてウェブで確認するか、ソフトバンクカスタマーサポートに電話で確認することが出来ます。
2年契約縛りなしプランは変更手続きが必要なのか?
現在、2年契約で自動更新・解約金9,500円タイプの料金体系を利用している回線が、今後次の2年更新のタイミングを迎えた場合については、自動更新後も従来の2年契約(解約金9,500円・自動更新タイプ)のまま更新されてしまいます。
つまり、手続きをしない限り、2年契約や解約金なしの新しいプランへは勝手に切り替わるわけではありません。
まぁ、解約を予定せず今後もソフトバンクを継続して利用し続ける予定のユーザーにとっては、手続きの手間が面倒なので放っておいても問題はあまりないかもしれません。
しかしながら、いざ解約・他社へ乗り換えをしようとした場合、新しいプランへ変更していなければ従来通りの解約金9,500円が発生しますので、「ソフトバンクは解約金0円・2年契約なし」というイメージが世の中に浸透しつくしたあとに解約金を請求されることとなれば、「損をした。騙された。」というイメージを抱いてしまいかねません。
放っておいても勝手に解約金なしのプランへ切り替わる事はありませんので、頭の片隅に置いておいた方が良さそうです。
2年契約縛りなしプランに変更したらいつから適用されるのか?
ソフトバンクで旧2年契約(解約金あり/2年契約あり)を適用中の回線から、新しいプラン(解約金なし/2年契約なし)に変更した場合、新しいプランが適用されるタイミングは契約している締め日によって異なります。
締め日ごとのプラン適用タイミングは以下の通りです。
締め日 | 申し込み時期 | 適用される日 |
毎月10日締めの場合 | 当月11日から次月10日の期間中に変更 | 次月11日から適用 |
毎月20日締めの場合 | 当月21日から次月20日の期間中に変更 | 次月21日から適用 |
毎月月末締めの場合 | 当月1日から今月31日(月の最後の日)の期間中に変更 | 次月1日から適用 |
表の通り、プラン変更を申し込んだ期間の翌締め日初日の0時から新しい料金プランが適用されます。
基本的にはプラン変更手続きを行なった翌請求月の開始日0時からの適用ですが、請求締め日の21時頃以降にwebなどで申し込んだ場合は、翌々請求月からの適用となる場合があるので要注意です。
プラン変更時は、My SoftBank画面に表示される適用開始日を必ず確認しましょう。
2年契約縛りなしに変更すると「長期継続特典」はどうなる?
ソフトバンクには「長期継続特典」という継続して長く利用し続けることで、2年に1度PayPayボーナスや通信料割引の特典があります。
もし旧2年契約から2年契約や解約金不要の対象プランに変更した場合でも、長期継続特典は引き続き還元を受けることが出来ます。
プラン変更しても、引き続き特典を同条件で受けられる上、解約時の解除料金9,500円が不要となる選択肢があるので、今後もソフトバンクを利用し続ける予定のユーザー、近々解約を検討しているユーザーいずれも、2年契約と解約金なしの新しい料金体系へ変更しておけば、得することはなくても、損する可能性を限りなく少なくすることが出来ると言えます。
★ソフトバンクの「長期継続特典」の詳細についてはこちらから★
2年契約縛りなしプランで解約・他社乗り換え時の負担を軽減する裏技が誕生した
現在利用しているソフトバンク回線を解約・または他社へ乗り換えを検討している場合、解約時の負担を低減できる可能性をもつ裏技が誕生しました。
旧2年契約のまま当月中に解約をした場合、更新期間のタイミングによっては1回線当たりの解約金が9,500円必要となります。
ただし、2年縛り・解約金負担がない新しいプランへ変更し、次締め日以降のタイミングで解約したとすると、1回線当たりの解約金は0円となります。
もちろん、1か月間解約を先延ばしにすることで、基本料金が余剰に発生してしまうという考えもありますが、1か月間の基本料金と解約金が9,500円軽減される差を計算すれば、解約時の負担が少なく済むケースは大いにあり得ると思います。
すぐにでも解約したい!という場合はこの限りではありませんが、時間や手続きに余裕がある場合は、最長1カ月間の日数を空けるだけで解約時の負担を低減できる可能性があります。
月月割が途中終了するケースには注意したい
月月割は、2019年9月12日まで申し込み可能だった割引サービスです。
内容は、対象機種を対象プランで購入すると、毎月の利用料金から12回〜最大48回にわたって値引きされるサービスでした。
もし、現在月月割が適用中の場合、本記事で触れている2年契約の概念がないプランへ変更してしまうと、その時点で月月割の適用が終了してしまう点にご注意ください。
プランを変更すると料金総額が高くなる可能性がある場合は、無理に変更せず、現状維持のまま月月割を適用させて、全回数割引が適用されたのちに、2年契約の概念がない新プランへ切り替える、といった流れでも良いと思います。
ただ、料金が上がったとしても、新プランにメリットを感じる部分が大きければ思い切ってプラン変更するのも良いと思います。
今後の利用状況にあわせてご選択ください。
結局、2年契約縛り・解約金なしのプランへ変更した方が良いのか?
ここまで、2年契約縛り・解約金なしの新しい料金体系に関する仕組みをあらゆる角度で確認してきました。
結局のところ、プラン変更をした方が良いのかどうかという点については、月月割適用中でなければプラン変更手続きをしておいて損はないと結論付けられます。
確認してきた通り、旧2年契約から解約金なしのプランへ変更したとしても、料金総額に差はなく、長期継続特典も引き続き還元されます。
変更しておくことで、万が一の解約時も更新タイミングや契約解除料を気にすることなく手続きをスムーズに行うことが出来ます。
しかしながら、手続きをする面倒や手間がかかるのも、また事実です。今後もソフトバンクを継続して利用し続ける可能性が濃厚であれば、放っておいても損することはありません。
将来、新しいプランやキャンペーンが登場した時、ソフトバンクで機種変更するタイミングと同時に新しい料金体系へ変更するという考え方でも良いと思います。
いずれにしても、正しい情報を知り、理解しておくことでソフトバンクをもっと快適で便利に活用していきたいですね。