2021年3月17日(水)に開始された"LINEMO(ラインモ)"
LINEMO(ラインモ)の特徴やメリットについてはすでにいろんなところで報じられていますが、一方でデメリットや注意点については、しっかりまとめられているところが少ないと思います。
LINEMOへ移行した後、ユーザーの皆様に「こんなはずじゃなかった」と後悔していただきたくありません。
契約前にデメリットや注意点についてもよく理解した上で、申し込み手続きを進めていただきたいです。
本記事では、LINEMO(ラインモ)のデメリット・注意点についてまとめます。
目次
手続きやサポートがすべてオンライン
すでにご存知の方も多いとは思いますが、LINEMO(ラインモ)はオンライン専用ブランドであるため、契約手続き・アフターサポートなどは全てオンラインのみの対応です。
問い合わせ窓口については、LINEMO公式サイト内の無人チャット(Pepperくん)対応のみとなっています。
「オンライン手続きは不安」「対面や電話でスタッフに対応してもらわないとわからない」という方にとってはこの点がやはり大きなデメリットと感じるかもしれません。
しかし、スタッフの稼働がかからない分、LINEMOの基本料金が安く提供されている、という側面もあるのです。
LINEMOの契約名義に関するデメリット(注意点)
法人契約できない
LINEMO(ラインモ)は法人名義で契約できません。
契約対象となるのは、18歳以上の個人名義に限られています。
例えば、契約者が20歳以上の個人名義であればなんら問題なくスムーズに契約できます。
もし18歳または19歳の個人名義の方を契約者とする場合は、親権者の同意が必要となるため、親権者宛に電話で確認がいくそうです。
なお、18歳未満は契約者にはなれませんが、20歳以上の方を契約として、ご自身は使用者として利用することができます。
ただし、eSIMを契約する場合は、使用者の年齢も20歳以上であることが条件となりますのでご注意ください。
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契約者本人名義のクレジットカードしか支払い設定できない
LINEMO(ラインモ)は、回線契約者本人名義のクレジットカードのみ登録できます。
契約名義とクレジットカード名義が異なる場合、または金融機関振替・請求書払いは支払い設定できません。
回線契約とクレジットカード名義が同一であればなんら問題ありませんが、一方で、「これまで契約名義とクレジットカードの名義は別々にしていた」「その方が家計の都合が良い」という方にとって、ここは非常に厄介なポイントかもしれません。
例えば、LINEMOを母名義でしつつ、クレジットカードを父名義にすることができません。
押さえておくべきコツは、LINEMOの利用料を引き落としたいクレジットカード名義人の名義でLINEMO回線を契約することです。
後ほど解説しますが、LINEMO契約後は名義変更ができません。
ですからLINEMO移行前の段階で契約名義と支払い名義が異なる場合は、LINEMOへ変更する前にLINEMO支払い予定名義(クレジットカード名義)へ移行前のキャリアで名義変更手続きし、それが完了した後にLINEMOへ移行されることをおすすめします。
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LINEMO契約後は名義変更できない
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LINEMO(ラインモ)契約した後は名義変更できません。
ただ、名義変更できないといえども、具体的には改姓(苗字の変更)/改名(下の名前変更)/承継(契約者死亡による契約引き継ぎ)は手続き可能で、それ以外の譲渡(家族や他人に名義を変更すること)/請求先名義変更(契約名義はそのまま、家族を支払い名義人にすること)ができません。
それぞれの対応可否をまとめると以下のとおりです。
種類 概要 対応可否 改姓/改名 姓名の変更 可 譲渡 家族、他人に名義を変更する 不可 承継 契約者が亡くなった際に、家族が契約を引き継ぐ 可 請求名義変更 契約者名義は変更せずに、家族を支払名義人に変更する 不可
ちなみに、改姓/改名/承継の手続きをしたい場合は、チャットサポート(受付時間:受付時間:9:00 ~ 20:00(年中無休))へ問い合わせて進めることができ、郵送での書面受付となるそうです。
同一名義で契約できるLINEMOの回線数は上限5回線まで
LINEMO(ラインモ)を同一名義で複数契約する場合、その上限は5回線までとなっています。
(申込み手続きの際、所定の審査がございます。)
家族でひとつのクレジットカードに支払いをまとめるとなれば、やはり同一名義で複数のLINEMO回線を契約することになります。
ただ、仮に家族全体で6回線以上契約する必要がある場合、どうしても同一名義人に設定することができなくなります。
もし6回線以上契約したい場合は、代表者のクレジットカード会社にて「家族カード」をつくり、その家族の名義でLINEMOを契約し、支払い設定するとひとつにまとめると良いでしょう。
LINEMO移行と同時に名義切り替えはできない
現在契約しているケータイ契約名義をLINEMO移行と同時に別の方の契約名義へ切り替えることはできません。
例えば、
- ソフトバンクで父名義→LINEMO移行と同時に息子名義への切り替え
- ドコモで父名義→LINEMO乗り換え(MNP)と同時に母名義への切り替え
といった場合の受付はできません。
このようなケースでは、LINEMO申し込み前に現在契約中の名義を変更するか、現在契約中の名義でLINEMOを申し込みするほかありません。
LINEMOの割引に関するデメリット(注意点)
家族割引(みんな家族割)対象外
LINEMOは家族割引(みんな家族割など含め)対象外です。
ソフトバンクの家族割引には、家族間の通話やメールの利用料金を割引する「家族割引」と、家族回線数に応じて基本料金を割引する「みんな家族割(みんな家族割+)」などがあります。
LINEMOはこのどちらも対象外となるため、ソフトバンクから移行した時点から割引されなくなります。
また、ソフトバンク⇔ワイモバイル⇔LINEMOをまたいだ家族割引サービスの提供もありません。
LINEMOへ移行する際は、グループを組んでいる家族や同居人にあらかじめ「私、LINEMOに切り替えるから今後は通話やメールが有料になるよ」「(場合によっては)あなたの基本料金が上がりますよ」と一言伝えておいたほうが良いでしょう。
おうち割 光セット対象外
LINEMOはおうち割 光セット対象外です。
おうち割 光セットとは、ソフトバンクユーザーが固定光回線「SoftBank光」を「光BBユニット」「Wi-Fiマルチパック」「光電話」のオプションに加入して契約していると、毎月550円(税込)または1100円(税込)がスマホ利用料金から割引されるサービスです。
しかしLINEMOへ移行してしまうと、この「おうち割 光セット」が適用されません。
特段SoftBank光の利用料金が変わるというわけではありませんが、念のために頭の片隅に入れておきましょう。
月月割がなくなる
ソフトバンクからLINEMOへ移行する場合、移行した月から月月割が終了します。
月月割とは、ソフトバンクでスマホやケータイ本体を購入すると最大24ヶ月間割引されるサービスのことです。
すでに月月割が終了している方は問題ありませんが、機種代金が残っており月月割の割引期間中という方はLINEMO移行時に機種代の実質価格が高くなるためご注意ください。
LINEMOのサービスに関するデメリット(注意点)
キャリアメールのアドレスが消失する
LINEMOではキャリアメールが利用できません。
(例:「@softbank.ne.jp」や「@i.softbank.jp」など)
ソフトバンクからLINEMOへ移行する場合、これらのキャリアメール(MMS)が利用できなくなりますので注意しましょう。
特に現在キャリアメールアドレスを各種アカウント(SNSやサブスク)として登録している方は、必ず移行前にフリーアドレス(@gmail.comなど)へ変更したのちにLINEMO(ラインモ)を申し込みましょう。
あんしん保証パック(端末補償)対象外
LINEMOは、「あんしん保証パック」などの端末補償サービスが提供されておりません。
もしソフトバンクやワイモバイルからLINEMOへ乗り換える場合、現在契約中の補償サービスはLINEMO切り替えと同時に廃止となってしまいます。
万が一、LINEMO移行後にスマホの故障やトラブルが発生したら、最悪の場合、新しいスマホをApple Storeや中古販売店などで購入しなければなりません。
留守番電話サービス対象外
LINEMOでは、留守番電話サービスが提供されていません。
もし、現在留守番電話サービスを契約している方は、LINEMOへ移行した時点でこれまで録音された留守録データも消えてしまいますのでご注意ください。
転送電話サービス対象外
LINEMOでは転送電話サービスも対象外です。
転送電話サービスは、携帯電話宛にかかってきた電話を、あらかじめ指定した「転送先」へ転送できるサービスのことです。
これまで利用していた方は、LINEMO移行後は使えなくなるため、やはり注意です。
ソフトバンクまとめて支払いが使えない
LINEMO(ラインモ)では、キャリア決済「まとめて支払い」が利用できません。
そのため、LINEMOへ変更した時点で、これまで「まとめて支払い」で請求されていたサブスクリプションサービス(有料サイト・継続課金サービス)の契約が強制解約となる可能性があります。
この件に関しては、サービス提供側でも大々的に注意喚起を出しているようです。
登録している有料サイトや継続課金サービスが強制解約になると困る場合は、必ずLINEMO移行前に、サービス提供側で引き落とし先変更(クレジットカードなど)、アカウント(メールアドレス)変更などを行いましょう。
Yahoo!プレミアムは継続して使えない
ソフトバンクやワイモバイルでは、これまで「Yahoo!プレミアム」や「Yahoo!プレミアム for Y!mobile」が無料で使えていました。
しかし、LINEMO(ラインモ)へ移行すると「Yahoo!プレミアム」や「Yahoo!プレミアム for Y!mobile」は自動的に解約扱いとなり、利用できなくなります。
もし現在利用されている方にとってデメリット(弊害)になるケースとしては、
- 「ヤフオク!」出品中の場合、出品が取り消される
- 「Yahoo!かんたんバックアップ」の容量が減少
容量無制限の特典が終了し上限5GBまでとなる
90日以上経過しても5GB以上の容量を使用している場合、データはすべて削除される - 「プレミアム会員割引」の適用が終了となり、加入中の有料サービス料金が請求される
- 「Yahoo!プレミアム(Yahoo!ウォレットでの支払い)」に加入中の場合、ソフトバンク/ワイモバイルからLINEMOへ番号移行した後も引き続き「Yahoo!プレミアム」を利用できるが、ヤフー株式会社からの月額会員費が請求されるようになる
上記の点が挙げられます。
現在ソフトバンク/ワイモバイルで「Yahoo!プレミアム」や「Yahoo!プレミアム for Y!mobile」を利用中の方は十分ご注意ください。
LINE使い放題対象外のサービスがある
LINEMO(ラインモ)最大の特徴として、LINE利用時に限りデータフリー、つまりギガ消費ノーカウントという点が挙げられます。
しかし、実は一部のLINEサービスはデータフリー(ギガノーカウント)対象外となっています。
例えば、多くの方が利用している
- トークの利用
(テキスト・音声メッセージ・スタンプ・画像・動画・その他ファイルなどの送受信) - 各トークにおける設定・アルバム・ノートなどの表示・編集
- 音声通話の利用
- ビデオ通話の利用
- タイムラインの表示・投稿・シェア
などはデータフリー(ギガノーカウント)です。
しかし、トークでの位置情報の共有・Liveの利用、スタンプショップの利用、ニュース記事の閲覧など、一部でLINEギガフリーの対象外サービスがあります。
また、OS・ブラウザ・アプリケーションのバージョンアップまたはアップデート、Wi-Fiからの切り替えその他の技術的要因によって、ギガフリーの対象外となることがあります。
LINEMOにおけるLINEギガフリー対象可否は公式サイトで明記されていますので、事前にご確認をおすすめします。
LINEMOの国際利用に関するデメリット(注意点)
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海外だとLINEはデータフリーにならない
LINEMOを契約して海外でLINEを利用する際、データフリー(ギガノーカウント)になりません。
海外でLINEを使う際は、他のパケット利用時同様「海外パケットし放題」の料金が適用されます。
「海外パケットし放題」の定額料は、1日の利用データ量(最大)によって異なります。
「海外パケットし放題」の定額料金(非課税)
利用データ量 | 割引前通信料/日 | 定額料/日 |
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25MBまで | 0円 ~ 51,199円 | 0円 ~ 1,980円 |
25MB以上 | 51,200円 ~ | 2,980円 |
アメリカ放題非対応
LINEMO(ラインモ)はアメリカ放題非対応となっています。
アメリカ放題とは、ソフトバンクの対応機種を利用している方が、アメリカ本土やハワイなどに滞在時、スプリントのネットワークでの通話・モバイルデータ通信・メールがし放題のオプションサービスです。
仕事やプライベートへアメリカへ渡航する際、ソフトバンクのスマホを現地でそのまま、しかも通信費をかけずに利用できるとあって非常にお得なサービスでした。
しかし残念ながらソフトバンクからLINEMOへ切り替えると、アメリカ放題は適用されず、現地の利用料金は有料(別途課金)となってしまいます。
新規契約から4ヶ月未満は国際ローミング利用不可
あまり知られていない事実として、LINEMOを新規契約(MNP、ソフトバンク・ワイモバイルからの番号移行を除く)した4カ月目の末日までは、国際ローミングが使えません。
例えば、LINEMOを新規契約したばかりの方が、直後に海外旅行へLINEMOのSIMを持っていったとしても、現地で国際ローミングを(通話・データ通信)利用することができません。(Wi-Fiは国際ローミングとは無関係のため利用可能)
そう多くあるケースではないと思いますが、LINEMOを新規契約した4カ月目末日までは海外利用できないことを理解しておきましょう。