ソフトバンクのUSIMカード(以下SIMカード)にPINロック設定をかけておくと、万が一スマホを紛失・盗難された際に、通話やデータ通信を第3者に悪用される危険性が少なくなります。
しかし、PINコードを3回誤って入力するとSIMカードにロックがかかり、さらにPINロック解除コード(PUKコード)を10回間違ってしまうと、最悪の場合、SIMカードの再発行手続きが必要となることはあまり知られていません。
SIMカードのPINロック設定を利用するなら、仕組みを正しく理解し、万が一PINコードや解除コードがわからなくなっても的確に対処できるよう習熟した上で活用していきたいものです。
今回は、ソフトバンクのUSIMカード(SIMカード)をPINロック設定する際の設定方法や仕組みについて詳しく解説します。
※内容をかいつまんで理解して設定してしまうと予期せぬトラブルが発生する可能性がありますので、ぜひ最後までお読みいただき、PINロック設定の仕組みを熟知した上で設定してください。
目次
SIMカードのPINロック設定とは?
SIMカードのPINロック設定とは、SIMカードに暗証番号(PINコード)をかけることです。
スマホ本体には、顔認証や指紋認証といった生体認証で画面ロックを掛けている方が大半かと思います。
また、生体認証でなくとも数字やパターンロックによる画面ロックを設定している方もいらっしゃるかもしれません。
これらの画面ロックを設定していれば、仮にスマホを紛失したり盗難されても、スマホ本体に保存しているデータや個人情報を悪用される危険性が低くなります。
しかし、盗まれたスマホからSIMカードを抜かれてしまった場合、PINロック設定(SIMカードロック)をかけていないと、SIMカードを他の端末に挿して不正利用されるという可能性もあります。
それを防ぐ有効な手立てが、SIMカードのPINロック設定(SIMカードロック)です。
混同してしまいやすいところですが、端末の画面ロック解除に使うPINコードと、SIMカードをロックするPINコードは別物であるということを理解しましょう。
SIMカードにPINロックをかけるメリット
SIMカードにPINロック設定を行うと、万が一SIMカードを盗まれたときに不正利用を防止する効果があります。
スマホに挿入しているSIMカードを抜き出して他のスマホに挿し替えてしまえば、通話・データ通信をいとも簡単に悪用されてしまいます。
特に海外旅行でスマホ紛失しSIMカードを不正利用されたとなれば、国際SMS/国際電話/データローミングによる、超高額請求が発生する危険性があります。
このような不正利用を未然に防げるのが、SIMカードにPINロック設定をかける最大のメリットです。
SIMカードにPINロックをかけるデメリット
一方、デメリットは、電源を再起動するたびにSIMカードロック解除のためにPINコードを入力しなければならないことや、PINコードを忘れてしまうとPINロック解除コード(PUKコード)の確認しなければならない手間、また、最悪の場合SIMカードを再発行しなければ対処できないという複雑な仕組みにあります。
SIMカードのPINロック設定について正しい内容を熟知していればそこまで難しいものではありませんが、内容を理解せずにPINロックをかけたり、後からパスコードを忘れてしまったり、対処法を理解せぬまま進めてしまうと、所有者本人が通話・データ通信が一切利用できなくなるというトラブルが起こりかねません。
SIMカードにPINロックをかける設定手順
それでは、ここからSIMカードにPINロックをかける設定手順についてiPhoneを例に解説します。
まずは「設定アプリ」→「モバイル通信」→「SIM PIN」の順で進みます。
「SIM PIN」の項目で「SIM PIN」のチェックボックスをタップすると、PIN(暗証番号)の入力画面へと進みます。
ここでまず、心を落ち着かせて、焦らないように意識するのがポイントです。焦って進めてしまうと、誤入力によるトラブルが発生しかねませんからね。
ソフトバンクのSIMカードPINロックの初期パスワードは「9999(4桁)」です。
もし、以前にPINコードを任意の暗証番号へ変更したことがある場合は、そのときに設定した任意のPINコードを入力してください。
※iPhoneの画面ロックを解除するときの番号と、ここで用いるPINロックは異なる別のパスワードです。
所定のPINコードを入力して完了ボタンを押せば、もうこれだけでSIMカードのPINロック設定は完了です。
上の画像のSIM PINの右側バーが緑色になっていれば、現在SIMカードのPINロックがかかっている状態となります。
(※PINロックをかけた直後はすぐに設定が反映されないことがあります。その場合はホーム画面に一度戻ってみるなどして時間を空けた後に、再度緑色になっているか確認してみましょう。)
ちなみに、PINコードは初期設定のままだと万が一第3者にSIMカードを盗まれたとき容易にセキュリティを突破されてしまいます。
初期値「9999」から任意のPINコードへ変更したい場合は、SIM PINの下にある「PINを変更」という欄から変更することができます。
ただし、SIMカードのPINコード(暗証番号)はそうそう利用する機会は少ないので、時間が経つと忘れてしまいやすいものです。
ですから、SIMカードのPINロックコードを変更する際は絶対に忘れない馴染みのある数字の並びにしておくことを強くおすすめします。
(万が一、電源再起動時にPINロックコードの入力を3回間違えてしまうと、PINロック解除コードの確認・取得が必要となり非常に手間がかかります。)
試しにPINロックをかけた状態でiPhone本体を再起動、または別のスマホにSIMカードを入れ替えて起動すると「SIMがロックされています」と表示され、SIMカードにロックがかかっていることを確認できます。
(※SIMがロックされていてもWi-Fi通信は可能です。)
SIMカードのPINロック(SIMカードロック)解除3ステップ
ここからはSIMカードにPINロックをかけた後のPINロック解除法の流れを確認します。
※PINロックの入力を間違えてしまってスマホが使えなくなった!という方は、特に以下の内容を参考にしてください。
SIMカードにPINロックをかけた後の解除法は、①任意または初期値のPINロックコード入力(3回間違えたら②へ)→②PINロック解除コード(PUK)入力(10回間違えたら③へ)→③SIMカード再発行(手数料3,000円/ショップのみ受付)という流れとなります。
順番に確認します。
はじめにSIMカードのPINロックがかかっている場合、まずはPINコードを入力します。
ソフトバンクのPINコードは初期値「9999」となっていますが、もし任意で変更した場合はその数字を入力します。
ここで注意したいのが、PINコードの入力を3回間違えるとPINロックがかかってしまうということです。
PINコードの入力を3回間違ってしまうと、「PINロック解除コード(PUK)」を入力するまでSIMカードが一時的に利用できない状態となります。
「PINロック解除コード(PUK)」とはPINロックがかかった際に使用する、8桁の解除番号のことです。
ちなみに、「PINロック解除コード(PUK)」を10回間違えてしまうと、通話やデータ通信が利用できないだけでなく、そのSIMカードが強制ロックされて二度と使えないようになります。
そうなってしまうと、ショップ店頭でSIMカードを再発行する以外、解決の手立てがありません。
ただ、万が一SIMカードのロックが解除できなくても、Wi-Fi通信は利用できますので、落ち着いて冷静に対処していきましょう。
PINロック解除コード(PUK)の確認方法については次の章で解説します。
PINロック解除コード(PUK)の確認方法
PINロック解除コード(PUK)は、My SoftBank(WEB)/電話/店頭、3つのいずれかの方法で確認することができます。
My SoftBankで確認
PINロック解除コード(PUK)がわからない場合、My SoftBankで確認することを一番におすすめします。
こちらのリンクからアクセスしログインするとすぐに確認できます。
※もしMy SoftBankへログインする時のパスワードがわからない場合は、こちらをご確認ください。
8桁のPINロック解除コード(PUK)を見つけることができたら、スマホのタスクを切り替えながら確認したり、メモに書き残したりしながら確実に確認しましょう。
この解除コード(8桁)さえ確認がとれれば、スマホに入力して問題を解決できます。
電話で確認
PINロック解除コード(PUK)は、ソフトバンクカスタマーサポート(紛失・故障受付)へ契約者本人から問い合わせて確認することもできます。
※SIMカードがロックされていると、そのスマホでは電話が利用できませんので、近くにある他の電話を利用して問い合わせましょう。
以下の問い合わせ先をご活用ください。
紛失・故障受付
一般電話から:0800-919-0113(通話料無料)
ソフトバンク携帯電話から:113(通話料無料)※電話が繋がりましたら、「4」を押してください。
※暗証番号がご不明な場合はそのまま待つと、オペレーターに繋がります。
※紛失・故障受付のお電話での案内について詳しくはこちら
をご覧ください。
※フリーコールに繋がらない場合は以下の番号(通話料有料)へお掛けください。
東日本地域:022-380-4380
関西地域:06-7669-0180
中国・四国・九州・沖縄地域:092-687-0010
受付時間
自動音声応答サービス:24時間
オペレーター対応:9:00 ~ 20:00(年中無休)海外にご滞在中の場合は、「ソフトバンク国際コールセンター」へお電話をお願いします。
ソフトバンク国際コールセンター
海外から:+81-92-687-0025(通話料有料・ソフトバンク携帯電話からは通話料無料)
受付時間:24時間(年中無休)
店頭で確認
PINロック解除コード(PUK)の確認は最寄りのソフトバンクショップでも受付可能です。
契約者本人が来店し、運転免許証などの本人確認書類(その他の本人確認書類はこちら)を必ず持参しましょう。
ただし、現在のソフトバンクショップは来店予約優先の受付順となっているため、来店してもすぐに解除してもらえるという可能性は低く、ご自身の手続きの順番がくるまで待ち時間が発生する可能性が高いです。
ですから、個人的には、先述したMy SoftBankか電話での確認をおすすめします。
PINロック解除コード(PUK)の入力を10回間違えたらUSIMカードを再発行しなければならない
もし、PINロック解除コード(PUKコード)の入力で10回間違えてSIMカードが強制ロックされてしまったら、最終手段としてソフトバンクショップで新しいUSIMカードへの交換手続き(手数料3,000円)をしなければなりません。
ここまできてしまうと、それ以外の解決法はありません。
費用や時間が無駄になるので、SIMカードにPINロックをかけるときは設定しているパスワードを絶対に忘れないようにしつつ、もし「PINロック解除コード(PUKコード)」が必要な状況になったら、少し立ち止まって、冷静にMy SoftBankや電話で確認していきましょう。
紛失・盗難時は「利用中断」という手段も効果的
SIMカードのPINロック設定以外にも、紛失・盗難時は携帯電話を一時的に停める「利用中断」という手続きで不正利用を防ぐこともできます。
万が一、紛失・盗難されたとしても利用中断手続きをとることで、SIMカードにPINロック設定をするのと同様に、そのSIMカードで電話やデータ通信が利用できなくなるため、未然に高額請求などのトラブルを抑止できます。
ちなみに私は、面倒なSIMカードのPINロック設定は行わず、紛失・盗難など万が一の場合は上記の連絡先を活用するようにしています。
利用中断手続きの問い合わせ先は以下の通りです。
紛失・故障受付 24時間(無休)
一般電話から:0800-919-0113(通話料無料)
ソフトバンク携帯電話から:113(通話料無料)
電話が繋がりましたら、「1」→「1」を押してください。
※暗証番号がご不明な場合は、そのままお待ちください。オペレーターに繋がります。
PINロック設定を取り上げたテレビ放映が与えた影響
2019年10月5日にTV朝日系列で放送された地上波番組「加藤浩次とどん底どっこいしょ」にて、SIMカードの紛失による不正利用で約100万円の請求被害にあった男性が紹介されていました。
この放送を見て不安を感じた視聴者が、スマホのSIMカードにPINロックをかけたものの、入力誤りや解除コードがわからずに通話やデータ通信が使えなくなってしまい、多くのユーザーがショップにかけこんだという事態が発生しました。
また、2020年6月27日には日本テレビ系列の地上波番組「世界一受けたい授業」にて、スマホのセキュリティ対策の一例として「SIMカードのPINロック設定」について取り上げられました。
しかし、番組内ではPINロックを3回間違えた際にPINロック解除コードが必要となることや、最悪の場合SIMカードの再発行が必要になるなどの細かな点については言及されず、このことが視聴者に大きな混乱を与えました。
結果的に、後から番組公式HPにて「手順を確認できない場合は、操作を控えていただくようにお願い申し上げます。」と発表したほどです。
たしかにSIMカードのPINロック設定は、正しく活用すれば安心・安全なセキュリティ対策ではあるのですが、手順を知らないまま利用してしまうと、予期せぬトラブルが発生しかねません。
なお、PINロック設定を行わずしてスマホを紛失したとしても、ソフトバンクが提供している「利用中断手続き」をとれば十分対処できます。
いずれにせよ、SIMカードのPINロック設定は正しく仕組みを理解し、正しい手順や、万が一の対処法を熟知した上で活用したいものです。